星野之宣 ヤマトの火
星野之宣先生の ヤマトの火 です。
われわれはどこから来たのか?
われわれは何者なのか? どこへ行くのか ? この作品の連載時には本当に衝撃を受けたものです。クールなSF漫画の第一人者であった星野先生が新しい分野へ踏み出した第一歩でした。
単行本を持っているはずなんですが見つからなくてコレは掲載時の雑誌をスクラップにしたものです。その代わりこれらのものが発掘されました。諸星大二郎氏の作品群。マッドメン、妖怪ハンターなどとなど。柴田昌弘氏のラブ・シンクロイドなんかも一緒に発掘されました。
永井豪氏の歴史的名作デビルマンの一巻と内田美奈子氏の百万人の数学変格活用も見つかりました。これらもいつか紹介したいものです。
お話は主人公の父親が残したこの論文を巡る旅になります。
北海道から始まり、
沖縄へ。
火炎土器や銅鐸など日本古来の遺物も物語に登場します。まるで諸星大二郎氏の作品のようですね。この作品あたりから星野先生と諸星先生の交流が始まったというお話を聞いたことがあります。少年ジャンプ大賞受賞者であるお二人がここまで交流がなかったというのも不思議な話なんですがね。
後の両先生の作品内ではいろいろなお遊びが見られて(先生達の仲の良さがうかがえしれて)ファンは歓喜したものです。
日本の民族、仏教なども絡めてお話は進みます。どこまで研究、考察したんだと本当に感心します。ここまで来たらもはや司馬遼太郎氏と同じレベルで資料を読んでいるんじゃないでしょうか?
ちなみに都市伝説として司馬氏が新作の準備を始めると神保町から新作に関する書籍がなくなるってのがある。私コレ、半分くらい信じてます。
ヤマトの火、このお話はいわゆる "俺たちの戦いはこれからだ!!! " で終わっちゃうんですよね。掲載紙はヤングジャンプ、いわゆる青年誌でしたが 当時の時代を考えれば一般受けしなかったのは仕方がありませんね。数十年後に宗像教授シリーズがヒットするのは時代が追い付いてきたってことなんでしょうね。
そして星野先生の旅は続きました。第二部ではなくセルフリメイクといったところでしょうか。
ヤマタイカという作品 です。お話もドラマチックになりより何よりずっとスケールの大きな話になって帰ってきました。先生の戦いはここで見事にリベンジ、完結しました。
ヒロインが美女に変わったのはご愛敬。
確かに美しいヒロインは漫画には欠かせませんものね。